第14章 Twist and love-2(2/2)
宮城の捕虜となってから約十日半後、海南の高官に急報が届いた。
「牧さん、高畑と津久武という組織が湘北に併合されました」会議室に入ってきた牧が、開口一番に口にしたのがそれだった。
牧はちょっときょとんとしたが、それほど驚いた様子は見せなかった。
この2つは中立的な組織で, 海南からはまだ距離がある。ただ、津久武は武園と接しているが、武園は海南の付属組織である。
「今日の急報は、それだけではないだろうな」会議テーブルの上座に腰をおろして、牧はいつもの落ち着いた表情で部下たちを見まわした。
「はい、あの... ... 昨日、うちの支部の一つに忍び込んだ者がいましたが、相手が強すぎて、怪我人が出て、逃げてしまいました」武藤の目は少し怯《おび》えており、額には冷や汗がにじんでいた,「つぎの報告によると、その男は赤毛だったそうです。彼は... 支部の設備をことごとく破壊してしまいました。申しわけありませんが、わたしの不注意で... 」
「湘北の桜木です」と神は言った。「最近、活躍しすぎました... でも、慎重に行動していました。我々が仕掛けた罠をいくつかかわしました」
牧は二人の話を聞きながら黙っていた。流川と桜木が、ずっと宮城を探していたことは知っている。宮城の口から一挙に潰《つぶ》せる情報を引き出すことができず、このまま引きずっていけば、湘北の二人はますます実戦経験を積むことになるだろうし、今後の対処は容易ではないだろう... ...
「くそっ、湘北はますます威張ってやがる」新任のマネージャー清田が怒ったように言った。
「牧さんは、なぜ、宮城を殺さなかったんですか?どうせ彼の口から必要な情報は得られない。」神は牧を見て、「流川と桜木がまだ勢力を伸ばしていないうちに、しかも二人が気が合わないと聞いていたから、協力したのは宮城がリーダーだから、宮城を殺したら大騒ぎになるだろう」と自分の考えを述べた。
そんな考えが牧の頭のなかにあったことを、彼は知らなかった。
牧は目をしばたたき、意味ありげな視線を向けた。
神はいつも自分の考えを持たせてくださっているのに、こんなふうにストレートに言い出すのは、きっと自分が地下牢で宮城に対してやっていることを耳にしているのだろう。
宮城に来るまで、捕虜にそんなことをしたことはなかった。普通の処刑でさえ、自分の手を汚したくないから部下にやらせる。
しかし、あの納屋で宮城を犯してからは、どうしようもなく、宮城を犯し続けている。仕事以外のことは、地下牢にいる宮城にすっかり心を奪われていた。
地下牢で何度も宮城をレイプしたことを思い出し、彼の脳裏には宮城の怒りに震える苦悶の表情と、彼を喜ばせたあの小さな身体が浮かんだ。
「宮城のことなど気にすることはない」彼はいつになく冷ややかに、部下たちを一蹴した。「俺が始末する」
宮城はその夜のうちに地下牢から連れ出された。鎖かたびらをはずされたとき、彼はまだ高熱を発していて、意識が朦もう朧ろうとしていた。
もともと軽かったのに、何日も苦しめられてずいぶん痩せたので、高砂という屈強な部下は彼を軽々と担ぎ上げ、牧の家に連れて行き、風呂場のバスタブに入れて洗った。
傷口は水を浴びてズキズキと痛み、胴体や四肢の鞭痕はおろか、裂傷の前洞に走る傷口が痛みで全身を震わせていた。
そんな状況の中で刺激を受けて、彼は我に返った。
動き回らないように、両手は縛られたままだ。
牧が何を言いつけたのか知らないが、風呂に入れてやる手つきは優しかった。
乾いた血はぬるま湯に洗われて、彼の体から洗い落とされ、やがて浴槽全体を薄茶色に染めた。
何度も水を替え、ようやく洗い終えると高砂は彼をバスタブから引き上げ、体を拭いてやり、ベッドに運んだ。それから高砂の缶を取り出し、指でつけると、宮城の前穴に塗りつける。
宮城はどこから力が入ったのか、その手を蹴《け》り落とした。
「牧紳一この野郎、何をするんだ、俺を殺すなら早くしろ」と高砂に怒鳴った。
「そんなに死にたいのか」そのとき牧が入ってきて、高砂は彼を見るなり立ち上がり、頭を下げた。
牧は手を振って出て行くように合図すると、自分から宮城の隣に腰をおろした。
宮城は憎々しげに彼を見つめ、足をあげて蹴ろうとしたとたん、足首を牧につかまれた。
牧は彼の足首を強くつかんでいたが、やがて苦しそうな表情になった,それから牧は冷笑しながら、「おまえはおれのところでは死に方が一つしかない、レイプされて死ぬことだ。おとなしく薬を塗らなければ、すぐに死んでしまう。おまえが死んだら、裸にして湘北に放り込んで、彼らの首領がどんな死に方をしたか、見せてやってくれ」
「くそったれ」宮城は悪態をついたが、牧が足首を離すと、抵抗をあきらめた。
牧はふんと鼻を鳴らし、彼の太腿《ふともも》に手を伸ばした。
ぶるぶる震えながら、牧に強引に脚を開かれた。
裂傷だらけでまだ血の滲《にじ》んでいる宮城の前穴を見て、牧は顔を真っ黒にし、手に軟膏《なんこう》をつけて薬を塗りはじめた。
彼の動きは軽くて高砂に追いつきそうだった。ひんやりとしたうるおいの軟膏が、宮城の前ツボに均等に塗られている。宮城は牧のそういうやさしさに慣れていなかったので、牧がまた何度かぬぐったあと、宮城はいったん目を閉じて、そのまますぐに眠ってしまった。
熱があるうえに、納屋にぶら下がって拷問を受けたり、冷たくて汚い地下牢に閉じこめられたりして、長いこと神経を張りつめていたせいで、ふかふかのベッドに横たわっていた,いくら強くても眠気には勝てなかった。
彼は深い眠りに落ちていた。それまできつく結ばれていた眉まゆをひそめ、口を少し開いて、まるで接吻せっぷんを求めるように、呼吸に合わせて小刻みに震えていた。
宮城の無防備な姿は、牧が見たことのないものだった。薬を塗り終えた彼は、顔を上げたとたん、ぽかんとしてしまった。
宮城の顔に近づき、思わず手を伸ばしてその頬にそっと触れた。
集められた資料によると、宮城は今年二十二歳だが、顔立ちからすると十代の少年のように見える。
ついこの間まで洗ってもらったばかりだったのに、半分濡れた髪がパーマをかけ、幾筋も額に貼りついているので、余計に子供っぽく見えた。
牧は、自分を抑えきれなくなって、初めて手を下して宮城をレイプしたときから、こんな気持ちになったのは、人生で初めてだった。
しかし、思い切って、宮城に毛布をかけてやり、部屋を出た。
どんなに心が動いても、敵の首領を好きになるわけにはいかない。
翌日、充分な日差しの中で目を覚ましたとき、宮城は足を縛られたままで、首にも首輪をはめられ、腰には黒いベルトを巻かれていた。
そして、彼の全裸の身体には、この二つの「飾り」がついていて、性欲を発散させる奴隷のように見えた。
宮城はせせら笑ったが、自分がそうであることはわかっていた。
湘北は海南にとって目の上のたんこぶであり、牧の手にかかったところで、ろくなことになるとは思っていなかった。
だから宮城はこうした状況を良く受け止めている。
彼にしてみれば、監禁場所が地下牢から牧の部屋に移っただけのことだった。
もっと具体的に言えば、牧のベッドの中。
それも悪くない、彼はとっくに歩けなくなっていた。前洞の傷があまりにもひどく、動くたびに下半身が引き裂かれるような感覚があった。
それを考えると、宮城は現状に満足している。彼は体の力を抜いて仰向けになり、わざわざ手足を広げて、牧という柔らかい大きなベッドを満喫した。
驚いたことに、牧は何日も姿を見せなかった。ただ高砂だけが毎日部屋にやってきて彼の世話をし、食事を与え、薬を飲ませ、トイレの世話までした。
牧紳一の野郎、なにやってんだ... ... 死んじまったのか?何日も姿を見せなかったのに... ...
その日の昼、口に運んだ鯛寿司を食べながら、宮城は考えていた。
ペットのように美味《おい》しくおいしく飼っておいて、思考を弛緩《しかん》させ、湘北の情報を引き出そうとしているのだろうか?
宮城は思いきり眉をひそめ、目玉を動かして、彼がフルーツサラダをかけている高砂に目をやった。
手当てが行き届いていたので、体の傷は下半身も含めてほとんどよくなっていた。ここから逃げ出すことは不可能であり、ここから逃げ出すことを夢見ていた。
しかし力量では彼が高砂に勝てるはずがない。
ならば、この大男を倒す方法を考えるしかない... ...
宮城は腹をきめて、一夜の計画を立て、翌日実行した。
彼は高砂が彼の下半身に薬を塗っている隙に高砂の顔を蹴った。
しかも至近距離からの奇襲だったので、高砂はたちまち意識を失ってしまった。
宮城は高砂に手を伸ばしてビルボー型かせの鍵に触れた。
ところが、鍵穴に鍵を差し込んだとたん、開ける間もなくドアが牧に蹴破《けやぶ》られた。
「まさか本当に、おまえが何をしているのか、ちっともわからないと思っているんじゃないだろうな」牧は彼の手首をつかみ、力をこめて振ったとたん、手のひらから鍵が落ちて、チャリンと音をたてて床に落ちた。
宮城は唖然《あぜん》として牧を見つめ、抵抗することも忘れていた。
「あんたの一挙手一投足、ずっと見てたんだよ」牧は彼の手首をつかんでベッドに押し戻し、それから体をいじめて宮城を体の下に押しつけた,「あなたの下の穴がどこまで回復したかも含めて... 」
モニターだ。
宮城は咄嗟《とつさ》にそう思った。彼は目を動かして、牧のうしろを見た。なるほど、天井には小さな、赤い点のついた装置があった。
牧が部屋のモニターを隠していなかったことが、宮城には自分がそこまで考えていなかったことが悔やまれた。
彼は顔をそむけ、ふんと鼻を鳴らして、もう牧を相手にしなかった。
牧の顔がみるみる曇った。
「おまえの傷は治ったようだが、ここ数日は気持ちよく過ごしているようですね」牧は宮城のすべすべした身体に手を這《は》わせながら、冷たい声で言った,「おまえの下の穴が治ったんだから、今はもう少し楽しませてもらおうか」
指を入れると、指先にぬるぬるした感触があったのは、宮城の前穴に軟膏が塗られたばかりだったからだ。
牧は眉をつりあげたが、その感触が心地よかった。片手で体の下の宮城を固定し、もう一方の手で自分のズボンをはずした。
またレイプされるのだと気づいて、宮城はもがき、牧の体の下で、つかまった猫のように足をばたつかせた。
今度は手も足も縛られていないのに、しかし、牧にくらべると、彼の力はあまりにも小さかったし、これまでの苦しみも加わって、彼のすべての抵抗は牧の余興になってしまった。
自分の上にのしかかってくる牧を必死に押しのけようとしてもうまくいかないので、牧は片手だけで彼の両手首をつかみ、両手を頭の上に固定した。
それから牧は彼の片足を折り曲げ、自分のペニスを彼の前穴に突き刺した。
軟膏の潤滑があったとはいえ、まだ傷口が完全に癒えきっていないうえに、こんな太いペニスを乱暴に挿入されたのだから、たちまち血が流れ出して、二人の交わった部分を汚してしまった。
「ちぇっ... ... 」牧は顔をしかめ、不快そうな表情になった。
牧は、あれだけ宮城を休ませておいたのに、軟膏の潤滑油があったので、今度は宮城が出血することはないと思ったらしいが、それは違った。
最初に何度か宮城をレイプしたときは、そのたびに宮城に破滅をもたらすような感覚を楽しんでいた牧だったが、今ではすっかり興味が変わり、宮城に対しても最初ほど暴力的ではなくなっていた。
レイプされたことに関しては、宮城はすでに痺《しび》れていて、下半身はまだ痛んでいたが、罵声《ばせい》を浴びせることさえままならなかった。
痛みのために苦しそうに息をついていると、牧が体の中で少し長く止まっているような気がして、かえって苛立《いらだ》ってきた。
「どうして動かないんだ」彼は顔をしかめ、牧に白い目を向けた。「続けないのか。続けてくれ」
その様子を見て、牧はちょっとためらった。
「おい、おれを死ぬまでレイプするつもりじゃなかったのか」宮城はその恥ずかしくない表情を見ながら、痛みをこらえながら牧を皮肉った。「まさか血を失ってるんじゃないだろうな、それともインポだろうな」
牧は顔を曇らせ、手を伸ばして宮城の細い首を絞めた。
「宮城、おとなしくしていればよかったのに。気持ちよくさせてくれたから、優しくしてあげるよ」
首を絞められて窒息しそうになっても、宮城は死んだ魚のような目で牧をじっと見つめていたが、その目には侮蔑以外のものはなかった。彼は、自分の首を絞めている牧の手に反抗するために手をあげようともしなかった。
それほど死にたかったのだ。
牧は深く眉をひそめ、それから手を離した。
宮城を死なせるのが惜しかったのだ。
宮城が征服されるのを見たかったのは、肉体的なものではなく、心身ともに開かれたものだった。
「咳咳咳咳... ... 」宮城は激しく咳きこみ、口の端から血を吐いた。
「そう簡単には死なないよ」牧は顎《あご》を引き、少しずつ血を拭《ぬぐ》ってやりながら、「まだ充分に遊んだわけじゃない」